県道37号線拡幅に伴う芸備線付け替え工事


県は二〇〇三年度から、三次市と甲田町境の県道広島三次線の拡幅工事に本格的に取りかかる。並行して走るJR芸備線を横に付け替え、線路跡地を拡幅部分にあてる大掛かりな工事になる。JR西日本によると「道路拡幅でJRが移設される例は聞いたことがない」という。
 県によると、工事区間は三次市上川立町と甲田町高田原を結ぶ一・四km。江の川と山の間に挟まれた狭い道で、車同士の離合が難しい。短い間に二つの踏切があり、山の斜面が急なこともあって工事が難しく県道広島三次線で唯一、二車線化出来ていない。
 県は山を削ったり、江の川の対岸に県道をう回させる工法などを検討した結果、工費や工期などから芸備線を動かすことにした。
 工事は、まず芸備線を付け替えてから、道路を拡幅する。〇三年度から〇六年度をめどに、山に長さ約八百メートルのトンネルを掘り、芸備線を付け替える。現在の線路から最大で約二百メートル東側にずれる。
 付け替え工事は県がJRに委託。すでに予備工事が始まっている。
 付け替え後に、線路跡地まで道路を広げて歩道付き二車線にする。総事業費は付け替えも含めて約四十三億円の見込み。県は「平成二十年代初めに完成させたい」としている。

(引用:「中国新聞」平成15年2月27日付朝刊)

平成15年12月23日現在
平成16年 2月11日現在
平成17年 5月 8日現在
平成18年 4月 9日現在
平成18年 4月18日中国新聞
平成18年 5月 3日現在
平成18年 7月30日現在
平成18年10月15日現在
@ 三次方面

一方が江の川、もう一方が険しい山に挟まれている。線路は移動してここは道路になる。
A 甲立方面

こちらは線路移設のための準備が進んでいる。
平成15年12月23日現在
たまたま普通列車が来ましたので撮影しました。 踏切部分です。前日の雪がまだあちらこちらに残っています。 写真中央辺りがトンネルを掘っている部分だと思います。
時間によっては発破も実施されているようです。
↑PAGE TOP
平成16年2月11日現在
地域住民から現場見学をしたいという強い要望があり業者様も快く受け入れられ、この日、見学会が行われました。
トンネル作業用機械 トンネル内部。
現在200メール程度掘り進んでいるとの事
↑PAGE TOP
平成17年5月8日現在
B トンネル北側
線路が敷設される場所もかなり整地されつつあります。 このあたりからレールがトンネルの方へ伸びるのでしょう ずっと奥にはトンネル北側の出口が見えました
↑PAGE TOP
平成18年4月9日現在
北側です。レールが直前まで敷かれています。 南側のトンネル入口です。 南側別な角度から。こちらもレールが敷かれています。
↑PAGE TOP
平成18年4月18日
 三次市上川立町の住民が、県道拡幅工事に伴って移転されるJR芸備線の線路跡にハナミズキの並木づくりを計画している。地元住民中心のオーナー制度を導入して思い出の鉄路を花街道として再生し「魅力ある三次の南の玄関口をつくろう」と意気込んでいる。(余村泰樹)
 赤と白のハナミズキ七十二本を線路跡の約六百メートルに植える。「戦地に赴く兵士を送り出すなど、いろいろな出来事があった線路を忘れないようにしたい」と農業玉井平一さん(66)が発案。管理する広島県から、並木をつくる許可を得た。
 安芸高田市境の県道広島三次線拡幅工事は二〇〇二年に着工し、今月二十三日に、まず線路が移転。〇八年度中に道路の拡幅工事が終了する予定になっているため、今秋から、整備が終わった線路跡地へ順番に植樹する。
 ハナミズキは、地元住民らに、高さ約二メートルの苗木を一本六千円程度で購入してもらい、本人の名前入りのプレートを付ける。現在、住民を中心に約二十五本分のオーナーが決まっている。
 地元老人会の「上川立長寿会」が清掃の協力を申し出るなど管理体制も整ってきた。同会員で、現在の線路脇に住む三上智恵子さん(68)は「列車の音で電話が聞こえん時もあって不便だったけど、なくなるとなると寂しい。花があると地域の雰囲気も明るくなる。ハナミズキがきれいに咲くまで長生きしたい」と期待する。
 「三次に来る人を花で迎え入れたい。孫の誕生や子どもの入学記念などに合わせて植えて、ずっと大切に育ててほしい」と玉井さん。地区外からのオーナーも募集している。

(引用:「中国新聞」平成18年4月18日付朝刊)

↑PAGE TOP
平成18年5月3日
新設された線路を走る列車 旧線路は封鎖されています 今度は県道工事が始まります
↑PAGE TOP
平成18年7月30日
県道拡幅工事も進み、レールも踏切部分を残して
それ以外の場所は撤去されています。
右の2枚の写真と上の2枚の写真は
同一場所を撮影したものです。
一部、整地などの作業も進められていて、
線路であった面影も無くなりつつあります。
↑PAGE TOP
平成18年10月15日
レールがすっかり撤去されて
線路だった部分を道路として
整備され、現在片側通行と
なっています。

写真(左)旧県道と旧線路部分に
整備された県道。
写真(右)現在は片側通行のため
信号待ちとなります。(信号が長いです)
「お急ぎの方は国道54へ迂回」
↑PAGE TOP


このコーナーでは完成までの軌跡を綴っていきたいと思っております

TOPへ